一雨ごとに秋を感じる季節になってきました。

さて、今回のご依頼は、こちら。

このグリップに合うロッドを製作せよ。

メタリックグリーンに塗装されたアイスポット。

そして、多色のプラスチック樹脂を組み合わせ幻想的なデザインが特徴の関根謹製グリップ。

・ボートでの使用を想定した長めのレングス。

・スキッピングのように水面スレスレの低弾道でルアーが飛んでいく軌道が理想。

・しっかりとしたテイクバックから振り出すキャスト。

の３つが要求仕様でした。最近では固めのカーボンでそのような仕様を満たすロッドもだんだんと増えてきているように感じますが、ちょっと特殊な仕様でしたので、ブランクは持ち込みでお願いしました。

今回届いたブランクは低～中弾性のちょっと固めで６ｆｔ近いカーボン製です。

グリップに合わせた派手なカラーリングをご要望されていましたので、豪華にメタリック塗装を施しました。

スレッドデザインは相談しながら決めていきます。

グリーンの方はメタリックな印象をより強く出すため、シルバーのラピーテープを採用しています。ちなみに「ラピー」とはセメダイン社の商品名で、ロッドビルディングの世界では通称とされていますが、うちではより反射が強い別メーカのテープを使っています。

他では見たことない特徴的なデザインが出来上がりました。

バット部は迷わず「大量のトリムで！！」とのオーダーです。ドＳなご依頼主様と、ドＭなビルダーのシンクロが際立つ絶妙なハーモニーです（笑

もう２度とやりたくないと思いながらも快感を感じながら巻いていきます。

私の経験上、間違いなくトップの釣りが好きな人は極端なＳかＭのどちらかです。釣れなくて辛い時でも「トップで出せ」と自分を追い込み、追い込まれるほど、なお表層にこだわってしまう。。。

話が脱線しました。。。

さて、この節巻きは一見無秩序に巻かれているように見えますが、実はシンメトリックなデザインで形成されています。金・銀・灰３色しか使っていませんが、組み合わせで様々なパターンを創作できます。

ガイド間にもこれまたトリム。まさにトリム地獄です。終わってみれば竿全体で７０本以上の節巻きが施された豪華な一本となりました。

またブルーの方は関根謹製グリップのデザインに合わせた配色です。このグリップ色と同じ糸がなかなか見つからず、いろんな店を渡り歩き、何とか最終的に見つけることができたのは、あまり流通していないパシフィックベイのＮＣＰスレッド。

こちらもガイド間にトリムを施し、全体的にきらびやかなイメージに仕上げていきます。

バット部はクロス巻きでとのご依頼。シルバーで下地を作った上に、メタリックブルーでクロス巻きを施します。

そして、、、ついに、完成です。

メタリック基調の豪華絢爛な外観とは裏腹に、低弾道ライナーキャストが可能で超実釣優先主義のロッド。

納品後、早速ご連絡をいただきました。台風後の良くないコンディションの中、しかもメジャーフィールドにも関わらず、かなり良い釣果をたたき出したとのこと。

まもなくデカバスシーズンに突入です。だんだんと釣りが難しくなってくる時期ですが、ぜひまたデカイ魚を捕ってください。

仕様

長さ：約５．８～５．９ｆｔ

ガイド： 富士ＬＮ

カラー： メタリックグリーン／メタリックブルー

スレッド： ３色スパイラル（ラピーテープ巻き込み）／２色トリム＆インレイ

バット： トリム地獄／クロスラップ３色

スタイル：メタリック

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